家族で集まる寛ぐスペースであり、お客様を招く場所でもあるリビング空間。
弊社の設計では、都心だけではなく分譲する様々なエリアで積極的に2階リビングを設計に取り入れていますが、リビングを2階にというと『イメージが湧きにくい』というお声もお聞きします。
今回は2階リビングについてご検討されている際にいただくご質問や、メリットなどを事例写真などと共にご紹介いたします。
2階リビングのメリット①
陽当りがよく、採光がしっかり確保できる
1階だと光が入りにくい時間帯も、2階は陽射しが入りやすいということが一番のメリットと言えます。
都心は特に土地の大きさが制限されることも多いので、直接光だけではなく、反射光や窓の配置も重要になってきますが、1階だと制限されてしまう条件でも2階だと採光が取れるケースも多いのです。
現在、マンションにお住いの方だとイメージしやすいかもしれないのですが、バルコニーが広いと陽射しが遮られてしまうことがあると思います。2階リビングだと直射日光が遮られにくいということもあげられます。
2階リビングのメリット②
プライバシー性と開放性を両立できる
プライバシー性(外へ閉じる)と開放性(外へ開く)という相反する要素を融合できるのが、プランニングにおける2階リビングの良さです。
2階にリビングを持ってくることで、空を見ることができる開放的な空間となり、 かつ道行く人からの視線をカットできるプライバシー性の高い空間を手に入れることができます。
隣地の状況を考慮して窓位置の設計をすれば、よりプライバシー性の高い、かつ、開放感のある気持ちの良いリビング空間になります。
カーテンを閉めなくても、リラックスしている姿が外から見えないか?を気にする必要も少ないのです。
多棟のプロジェクトで建物同士が隣接する場合、リビングが向き合う他の棟の窓を視線が気になりにくいように、小窓や内倒し窓にしています。
『1階に比べて、夏場は暑くなりやすい?』
2階リビングの場合には陽当りが良い分、室内が暑くなりやすいということがあげられます。
ですので、弊社ではLow-Eガラスとアルミ樹脂複合サッシを採用し、省エネ性能を高めております。
また、リビングエアコンは20畳以上のタイプに多く対応する200Vコンセントにしていますので、畳数に対してやや容量が大きめの方がランニングコストを抑えられます。ぎりぎり目一杯の状態で、運転しているとエアコンの効きも悪く、常に電力を消費してしまい、運転音も大きくなります。
これは1階リビングの場合でも、エアコンの種類を決める際の大切な省エネのポイントです。
また、弊社では2階の高天井の場合、空調効率を上げるため、シーリングファンを取り付けを出来るよう、高天井部分の照明に下地をいれております。
(高天井でない場合、シーリングファンは手が届く位置になるため取付は危険です。そのため下地は入れておりません。)
夏場だけではなく、冬場も上に溜まりやすい暖かい空気を循環した方が省エネになりますのでおすすめです。
(参考:ダイキン エアコン節電情報 https://www.daikin.co.jp/air/life/electricitysaving/)
2階リビングのメリット③
水周り動線をコンパクトに収めることができる
バルコニーで洗濯物を干す場合、プランによりますが洗濯機も2階に置ける場合は最短ルートでバルコニーまでいけます。
キッチンも2階にあるので、家事の動線が非常にコンパクトなります。
お子様が小さいうちは、どうしてもすぐ手を洗ったりすることも多いですし、家事をしながら目が離せないので、子育てファミリーには嬉しいポイントです。
リビングで寛ぐ時間だけではなく、家事をする時間も明るい空間で過ごせるのはとても心地よいですね。
弊社の設計士も、自邸は『妻が明るいキッチンを希望していた』ということで、土地形状が奥まった旗竿地でもあり、最初から2階リビングで考えていたそう。
2階リビングのメリット④
高天井で開放感があるリビングに
弊社の天井高さは2階建ての場合は2m40㎝ですが、リビングを2階に設けることでハイシーリング(高天井)にすることができます。
1階で高天井をつくると、2階の床が上がるので間取りにも制限が生まれます。
この場合、ステージロフトや収納などにすることが多いのですが、角地など建ぺい率に余裕がある場合でないと難しいことが多いのが現状です。
その点、2階だと屋根形状に合わせて高く作りやすいので、高窓などを設けることで、よりリビングに開放感を生むことができます。
また、天井の高低差も生まれるので、より視覚的にも『低く落ち着く空間』『高く伸びやかな空間』を強調することができ、それぞれの空間にメリハリも生まれます。
『お買い物をしてきたものを持って、階段の昇り降りが大変?』
ご高齢のご家族と同居される場合や、足腰に不安のある方は懸念されるポイントです。
ただ将来的には階段を日々昇り降りすることで、足腰が鍛えられ寝たきりになりにくいという研究や、「ダイエットにも良い」「10段で1キロカロリーを消費する(※)」とも言われているので、数十年のライフスタイルスパンで検討する際には、ポジティブに運動のひとつと考えてみるのもひとつの考え方かもしれません。
※引用 https://www.min-iren.gr.jp/?p=38378
家具・家電の取り換えには事前に相談が必要
大きなソファーや冷蔵庫は、運び入れの際にサイズの確認や搬入経路の確認が必要です。
いずれにしても事前に購入店や引っ越し業者さんにしっかりと相談してみることをおすすめします。
最近はマンション用の高さの低いタイプや、スリムなタイムでもしっかり容量がある冷蔵庫もでてきましたので、検討してみてください。
『お子様が帰ってきたときに分かりづらい・居室が暗くなるのでは?』
2階リビングの場合、お子様の部屋も1階になることを懸念されるご質問もいただきますが、
基本的には、部屋に籠るライフスタイルではなく、家族みんながリビングに集まる空間を作っていくという考え方で設計しています。
リビング学習と呼ばれるライフスタイルでも対応できるような、DENやカウンターデスクなども多く設計しているので、お子様が小さな頃はリビングに集まりつつ、過ごしやすい暮らし方が望ましいのではないかとも考えられます。
また、実際にはお子様が中高生になると、部活動などで帰りも遅くなることが多いので「あまり明るい時間帯には自室の学習デスクに向かっていないかも…」というお声もお聞きします。
リビングの考え方については、過去にご紹介したこちらの記事も参考にご覧ください。
開放的なリビングにつながるDENなどを、お子様の宿題コーナーや、ワークスペースとして使ったり、趣味のスペースにするのも心地良さそうです。
家時間が長い最近の過ごし方では、明るいDENスペースをヨガや、ワークアウトのコーナーにするのも人気が高まっているそう。
ヘルシーなライフスタイルが過ごせそうですね。
2階リビングのメリット⑤
間取りによって、耐震性が高まるケースもある
耐震性を高めるには、1階の方が壁が多い方が有利になることもあります。
弊社の場合は、全棟構造計算を行っているので、1階リビングだから耐震性が低くなることはないのですが、2階にリビングを設計することで、より耐震性が高まるということもメリットのひとつとも言えます。(※構造計算の結果、壁が少ない際には梁を太くしたりして強度を上げる為、1階だから耐震性が低くなるということはありません。)
1階リビングにも、2階リビングにもそれぞれ良さがあります。
大切なことは、ご家族が望むライフスタイルが得られることではないでしょうか?
同じ条件で同じ間取りの物件というものは存在しないので、建物をしっかり見る前に
しっかり相談して、ご家族みなさまで優先順位を決めていくことをおすすめします。
建物を見たうえで、比較検討することもあると思われますので、その際にわからないことは自社の設計士や営業担当者にご質問ください。