毎年恒例のメインイベントであった海外研修がコロナウイルスの影響で中止になるも、2024年に満を持して復活。ところが、参加できるメンバーは多くて10数名だったことが判明。
「行けたらラッキーだなぁ」
そのようなふわふわな気持ちでいたら、1本の電話が入った。
「佐藤君、スペインどうかな?」
まさかの参加メンバーに選出されたのだ。
これには歓喜に沸いたが、同時にかすかな不安も抱いたのを覚えている。
ここだけの話、実は海外旅行は今回が初めてになる。
これは持論だが、普通、海外旅行に初めて行くならば韓国やアジア圏など比較的日本から行きやすいところに行きがちなのではないか。初海外で、しかも初ヨーロッパとは。暴挙である。
これまで26年間、一度も海外に行かなかったのは、文化や言語、何から何まで異なるため、日本に慣れ親しんでいる自分には正直抵抗があったから。しかも、ヨーロッパではスリが頻発していると耳にする。
おまけに飛行機で片道14時間かかるので、半日以上を空の上で過ごすことになる。
冷静に考えて、物凄いことだ。
果たして、五体満足で日本へ帰国できるのであろうか―――
そんな一抹の不安は、全て杞憂に終わる。

『 圧倒 』
この一言に尽きる。
やはり世界遺産は伊達じゃない。
永遠とも思える長い歴史と、この建造物が人の手によって創られたものなのかと、小一時間感傷に浸り続けていた。
サグラダ・ファミリアの入口に足を踏み入れ、輝かしい大聖堂を見学したあと、塔の上までエレベーターで上がれることを知らされた。ガイドさん曰く、エレベーターで上に登れること自体が予約困難とされており、非常にラッキーとのことだった。
あたり一面、バルセロナの景色を見渡すことが出来、まるで映画の世界に没入したかのような、感覚だった。

彼方まで続く水平線。海面は太陽に照らされ、サンシャインブルーが色鮮やかに煌めいている。
心地よい潮風にあたりながら飲むビールは、どんなおつまみよりも合う。
魔法のスパイスとはよく耳にするが、このことだったのか。
そして夕焼けに染まる海を見て、再び物思いにふけるのであった。

ゲルニカ等の奇抜な絵画で有名なピカソ。
その美術館がバルセロナにあるらしい。
美術の教科書やテレビで一度は目にしたことのある絵がたくさん展示されており、思わず見入ってしまった。

早朝の極寒の中で向かったモンセラットは、カタルーニャ州バルセロナ近郊に位置する巨大な山。
モンセラット修道院、黒マリア像や大聖堂があり、キリスト教の聖地とも言える場所である。
神々しさが全面に押し出され、独特な緊張感が感じられた。
丸一日、全員でバルセロナを観光。
カサバトリョ、グエル邸、グエル公園など、観光バスで移動し、スペインの街を巡り歩いた。
正直な話かなりハードなスケジュールで、仲間との会話もそこそこに、帰りのバスでは熟睡してしまい心地よい夢を見ていたような気がする。そのくらいどれも素晴らしい場所だった。


そしてこちらも忘れられない。
スペインの料理は絶品だ。
一番の有名どころはやはりパエリア。これが本当に美味しい。
笑ってしまうほどに。
仲間とテーブルを囲み、酒を酌み交わし、歓談しながら食すパエリアがまた格別なのだ。
誇張抜きで一週間同じものでも食べられる(気がする。)



タパス料理と呼ばれる地元で有名な料理も皆で食べに行った。
一例として、パンにトマトやにんにくを塗って生ハムを乗せて食べるスペインの料理・ブルスケッタが特に印象的であった。日本で言うごはんのような、主食みたいなものらしい。
■まとめ
初めての海外旅行、もとい、スペインは私の中で価値観を変えてくれる壮大な旅になった。
日本では到底見られない景色と風景が、そこにはあった。
この世界にはまだまだ自分が知らないことがたくさんある。
自分がいかにちっぽけな存在か、そして世界がどれだけ美しいか―――
仲間とともに過ごしたスペインでの旅情が胸に広がる。
様々な思いが交錯し、何事にも代えがたい非常に良い経験となった。
営業:佐藤