バルコニー

欧米の調和のとれた美しい町並みには感動します。

ヨーロッパでは、歴史的な建造物を残し伝統的な街並みを守るなど
都市の景観を大切にすることが根底にあるため、
建築基準(家の色、高さ、屋根の色、形状、外観を変えることは禁止等)や
看板の制限が厳しく細かく決められています。
また、電線が地中化されているため、
まとまりのあるスッキリとした町並みが形成されています。

もうひとつ美しい町並みになる要素として、
欧米では、日本のように洗濯物の外干しの習慣がないため
バルコニーを必ずしも必要としていない点です。

欧米の国々では、大都市はもちろん、郊外の団地でも景観上の理由で洗濯物を
表通りや外に干すことが禁じられているところが多く
(裏通りや中庭に入れば洗濯物が干されている国もありますが)
住宅やアパートメントにはバルコニーがないのです。
ついていたとしても装飾用としてバルコニーを美しい花壇で飾るなど、
街並の景観を重視する用途としてが用いられています。

日本のような湿気大国と違って、欧米は、湿度が低いために
すぐに乾いてしまう国が多く、部屋の中に干しても、
生乾きで臭くなるということもまずないそうです。
また、ランドリー室が住宅やアパートメントに設けられており
乾燥機を使用するのが常識になっていますから
建物の外観には、バルコニーがなく、スッキリとしてお洒落な感じに見えるのです。

日本人は、太陽の光が届く南側の部屋を望み、
太陽が降り注ぐバルコニーに洗濯物を干すことのできる建物を好みますので
どうしても、住宅やマンションにはバルコニーを付けざるを得ません。
そのため、日本の建物は、バルコニーのデザインが前面に出てきてしまい
つまらないモノになりがちなのです。
また、晴れた日のバルコニーには、色とりどりの布団や洗濯物が干されているのも
色彩的にはあまりきれいとはいえません。

日本でも京都のように、景観の規制が厳しい地域があったり、
マンションでも外干しを規制するケースも増えてきてはいますが
日本の住宅において景観を大切にするのか、生活を重視するのかは、
美観のために日本人の文化を否定することにもなりかねない難しい問題だと思います。

そして、太陽の光や風の香りを浴びた洗濯物は気持ち良いものですし
太陽の匂いをたくさん含んでふんわりと膨らんだ布団の寝心地の良さは
捨てがたいものです。

バルコニーは、洗濯物や布団を干す場所だけではなく
居住スペースの延長空間として生活に彩りを加える場であり
建物の内部と外部が交わる場所として重要な役割を持っています。
また、場として利用される以外の利点においても、
部屋から窓を通じてバルコニーを見た時に、部屋の広さ以上に
視覚に奥行きが生まれる為、室内が広く感じるなどの効果も得られます。
そのため、アグレシオシリーズのバルコニーは、可能な限り広めに設計しています。

バルコニーの手すり部には、三段組の横格子を採用することが多いのですが、
これは室内に光と風をいざないつつ、
開放的な広がりをより一層高めることに役立っています。
また、窓の上方にバルコニーが設けられている場合などは、
庇の役割も果たしてくれます。
方位やロケーションにもよりますが、
夏季には直接的な日射を遮蔽し、冬季時は太陽高度が下がる為、
光が入り込んでくる等、窓と庇(バルコニー)のバランスによっては
良好な住環境をもたらすことも可能です。
これらは日射以外にも、外から中への視線への考慮など、
プライバシー性の向上など含めて同様なことがいえると思われます。

立地に適した空間利用において、
今回クローズアップしましたバルコニー部も
良質な住まいをつくる上で一つの大切な要素といえ、
その形状の如何によっても、建物の外観の印象や佇まいにも大きな影響を与えます。

理想の住宅を持つことは、ある人にとっては憧れであり、または目標かもしれません。
その一方、住宅を所有することは、人生の中でも大きな出費とともに、
決断と心構えが必要とされます。
いろいろな強い思いが住まいに向けられるのは、
多くの方に共通していえることと思われます。
これらに応えていけるように、当社の企業理念にも一文がある
「真に質の高い住宅」の供給に努めていきたいと思っています。

アグレシオ エグゼ武蔵野関前Ⅱ

春を感じられるようになってきて
建物の断熱性能の違いや部屋の光の入り方など、
「違い」や「差」を体感できやすい時期になりました。

販売中の現場への皆様のご来場をスタッフ一同お待ちいたしております。