こんにちは。フリーピースの古賀です。
共働き世帯が増加する中、不動産購入も夫婦での収入を考慮して、予算設定される家庭が多く見受けられます。
住宅ローンを利用して購入される家庭が殆どですが、不動産の持分割合はどうするべきか?
悩まれる方も多いはずです。
今回は物件価格6,000万円の不動産購入ご主人様:年収800万円 奥様:年収500万円のご夫婦のケースでご紹介いたします。
- 物件価格全額ご主人様名義一人で住宅ローン融資を受ける場合
支払いは奥様の収入も見込んで計画されていても、物件購入金額全額ご主人様名義のローンの為、持分は10/10ご主人様となります。
- 現状の収入割合にあわせて ご主人様4,000万円・奥様2,000万円のペアローン。
ご主人様持分2/3 奥様持分1/3 となります。
収入割合の観点と住宅ローン控除を最大限活用する目的から、購入時共働きの夫婦ですとお考えの方も多いローンの組み方ではないでしょうか。
購入時点での収入割合だけで考えると、持分割合としては上記設定で問題ないですが、考慮すべき要素は、購入後のライフプラン(特に働き方)と団体信用生命保険の効果です。
購入時は、家族構成が夫婦2人のみでしたが、購入後にお子様の誕生につき、奥様が専業主婦・時短勤務・パートへ転職等を想定するライフプランですと、収入の減少となります。
そうすると、奥様の住宅ローン減税効果がなくなる又は減少してしまい、場合によってはご主人様の借入金額を増やしておいた方が良い事もあり得ます。
夫婦での住宅ローン減税の効果を期待して②のプランを選択された方は、特に注意が必要です。
また団体信用生命保険は各自のローンに紐付いている事から、ご主人様に万一な事があっても、奥様が収入減少又は無収入にも関わらず、奥様分の住宅ローンは支払いが続きます。
その場合、リスク管理の観点からご主人様は、奥様が残った住宅ローン支払いに困らないよう生命保険の加入等、対策を講じる必要性があります。
逆に、住宅購入時は奥様が時短勤務期間で収入が抑えられている事から①を選択されたケースで、将来的には奥様がフルタイム勤務に戻る予定で収入増加を見込み、返済を計画されていた場合、奥様に万一な事があると、ご主人様は1人の収入で全額住宅ローンの返済を続ける事になり、返済計画が破綻してしまう事もあり得ます。
奥様が生命保険に加入するのも対策ですが、現在の住宅ローンの低金利を考えると、借入が可能であれば奥様にもローンを組んでもらう事が家庭のリスク分散対策になるはずです。
今回は単独名義とペアローンのみでしたが、持分割合で気をつけなくてはいけないケースとして「収入合算」「連帯債務」等がございます。
また、購入金額を全額ローンではなく一部自己資金を出す場合、夫婦それぞれが出資する割合に対しての持分や、親からの贈与を受け、非課税の特例を利用する場合の持分の考え方等がございます。
まずは現在の収入だけではなく、購入後のライフプランを想定する事と、自己資金を出す場合、誰が幾ら出資するのかを整理する事が重要となります。
夫婦2人で持分を設定されたい場合、購入を最終決定される「売買契約」時は共有名義での契約書取り交わしが必要となりますので、予め営業担当者やファイナンシャルプランナーに相談をしておくのがお勧めです。