新築住宅にお引っ越しをされる時、まず暮らし始めるにあたり、外から窓を遮るものがないと家の中が丸見えになってしまうので、カーテンは必須アイテムと言えるのではないでしょうか。
どんな建物にも窓があり、採光・換気・通風といった機能を有しています。
機能としての窓を、どのような装飾的なアイテムで彩るかは、それぞれの暮らされる方のイメージやご希望で多種多様で、遮光や、遮音、室内の温度を保つといった機能を重視したものや、透かしの入ったオパールプリントというような、デザインを重視したものまで本当に様々に種類があります。
窓を装飾的に飾ることを『ウィンドウトリートメント』と呼びます。
私たちのつくりあげる建築が、お住まいいただく方によって、どのようにウィンドウトリートメントやインテリアをコーディネートされるかで、本当の意味でその方の「住まい」や「暮らし方」になるのではないか、と思います。
わたしたち、アグレ都市デザインの建物には、通常よりも縦長や横長の連窓(れんそう)など、様々なタイプのサッシを採用しているので、「どんなカーテンをつけたらいいの?」というご質問をいただくことも多いです。
ウィンドウトリートメントにも様々なデザイン、種類があります。
・一般的なカーテン
・機械物(メカ)と呼ばれるシェード
・横向きのラインがすっきりとした一般的なブラインド
・木製や竹製の質感がおしゃれなウッドブラインド
・縦長のバーチカルブラインド
・和室にお勧めのプリーツスクリーン
などがあります。
今回は、「連窓」についてお話ししたいと思います。連窓とは、縦長や横長の窓を同じサイズで並べた形状のものを言います。
建築上では、外観の美しさも鑑みて取り入れることが多いのですが、室内からの印象も、掃き出し窓よりも、程よく視線が遮られるので、南面にもよく採用されております。
リビングなどの寛ぐ空間に光を取り入れつつ、プライバシーを守る効果があります。既製品のカーテンは、一般的に2m、もしくは腰窓用に1.3〜1.5m程度で作られていることが多いのですが、弊社の連窓はそのような既製のサイズでは、合わないものや足りないものもあります。
例えば、2mのサッシに2mぴったりサイズの既製品のカーテンを取り付けますと、丈が足りないので、上下からの光漏れや冬場の冷たい空気の入り込む原因になります。こちらのエグゼ吉祥寺エバーリュの縦長の窓には、連窓仕立てのツインシェードを取り付けました。
縦長窓にツインシェード(ドレープとレースを一つのメカに取り付けたもの・一本の操作チェーンで操作できるので、すっきりと仕上げられます。)を作る際には、このような生地使いは「連窓仕立て」を指定していただくことをお勧めいたします。
巻物から生地を取る際に、コスト重視ですと、余すことなく続けて生地を使うのですが、『連窓仕立て』を指定していただくと、生地の柄の同じ場所がきちんと揃えて仕上がるので、とても美しくみえるのです。
また、繋がった絵柄のある生地の場合、柄指定の連窓ですと、描かれている柄が窓に繋がって見えるように仕立てることができます。
レース生地は関西の老舗カーテンメーカーである、「スミノエ」住江織物の生地を採用しております。カーテンメーカーは約2年に1度、大きく生地の入れ替えをするのですが、
この生地は、モダンでおしゃれなイメージのリビングを演出できるので、永年愛されている柄で、幾度かの生地更新を経ても定番として取り入れられている生地の一つです。
一見、生地だけをみると繋がった大きな曲線は派手なように感じられますが、住まいの一角に取り入れると馴染みやすく、また、ホテルの一室のようなラグジュアリー感、華やかさや、現代絵画を飾っているような気分にもなれるモダンさがあります。今回のこちらのモデルハウスでは、レースカーテンと同柄で、クッションも作りました。
ちょっとしたコーディネートの裏技ですが、殆どのカーテンメーカーでは、厚地のドレープ生地を指定してクッションをつくることができるので、ソファーに合う色合いで、カーテンの同柄クッションを一つ取り入れるのはちょっとしたリビングの演出としてお勧めです。
また、厚地のドレープには、シャンタンと呼ばれる少し光沢のある生地を選びました。
生地も、光沢がありすぎると少し派手な印象があり、長い間使うのに飽きが来てしまいそうなことも心配になりますが、シャンタン生地は無地でありながら、例えばピカピカした金属的な艶が強いゴールドではなくシャンパンゴールドの方が品が感じられるように、抑え目の上品な光沢や艶や手触りを感じられるのが特徴です。
こちらのジアステックスのシャンタン生地のシリーズは、裏地の色が全く異なるので、使用している際に、裏地がちらりと見えた時にも美しいです。
より拘った仕上げを選ばれるのであれば、上下のどちらかを折り返して縫い上げ、裏地の色をパイピングのように2色で仕立てることもお勧めです。
通常、カーテンは一反の大きな巻物でできている生地から仕立てられます。一般的にカーテンのカタログに記載されている丈は、その巻物の幅を指します。(その幅を超えてしまうと、ハギと呼ばれる継いだ状態に仕上がるので注意が必要です。弊社ですと高窓と連窓になっているアール形状の間取りなどで高さのあるカーテンを作る際にはご確認ください)
ダイニング脇の掃き出し窓のカーテンレールには、TOSOの『グレイスノーヴァ』というレールを採用しております。
他の部屋よりもリビングは拘っておしゃれに見せたいという時に、デザイン性や高級感を演出できるワンランク上のアイテムです。
通常のレールにはない、リビング側から見たときにも、金具が美しくみえるのが特徴です。また、こちらのレールは、サイドのエンドキャップのデザインを選べるので、横にエアコンがある時には、短いものを選んだりすることも対応できるのも便利です。
せっかくオーダーメイドのカーテンをご注文されるのであれば、すぐには変えることのないアイテムですので、美しく仕上げられるポイントを抑えていただければ、よりご満足いただける空間になるのではないでしょうか?
●こちらのカーテンについてのご相談は弊社提携のジアスさんへ