「納戸=暗い場所」なのか

住宅の間取りを見ていると、時々「納戸」や「サービスルーム」という表記を見かけます。納戸と書いてあると「何だか暗そう…」というイメージをお持ちになる方も多いのではないのでしょうか。しかし、意外にも納戸やサービスルームが全て暗いとは言い切れません。

建物を設計する時には、各部屋に採光計算を行いますが、その際に必要となる数値は大きく分けて2つです。

1:隣地境界線から屋根の樋先(といさき)までの距離

2:窓中心から屋根の樋先までの距離

(図1参照)です。

それぞれの距離を算定式(※)にあてはめて算出された数値が各部屋の1/7(※)以上なければ居室にはなりません。 ※建物や用途地域によって計算方法や基準となる数値は異なります。

そのため、隣の建物との間に通路や庭があるなど十分に光が入る場所でも、上記の条件に満たなければ「納戸」と表記されます。実際にそういった建物を見ると「こんなにも明るい納戸もあるのか」と驚かれるかも知れません。逆に、隣の建物がギリギリまで建っている場合、窓からの光は入りにくくなり暗くなってしまうこともあります。

参考:アグレシオ西つつじヶ丘

表記上は「納戸」や「サービスルーム」でも、その空間をいかに明るく気持ちの良い場所にできるかは、私たち設計士の腕の見せどころとも言えます。お客様が住宅をご内覧される際には、そういった「採光の工夫」にも目を向けて頂ければ幸いです。

当社、アグレ都市デザインでは、建物を建てる時「その土地に対してどのような区割り・建物配置にすれば、お互いに明るさやプライバシー性を確保できるか」を自社の設計士が検討し、土地の区割りを決めていきます。隣の建物との距離が近くても間に通路や庭を設けるなどの工夫をし、ひだまり空間を生み出すことも可能です。これからも、用地の仕入れから建物の設計デザインを全て社内で行う「自社一貫体制」で、その家に住む人のことを一番に考えたものづくりをしてまいります。                        新宿本社 設計 N・O