東京藝術大学のキャンパスを抜けて、趣のある和菓子屋さんの前を通り、
アグレシオ上野桜木の前を通り抜けていくと、ひっそりと街並みに溶け込むお店。
入口はカフェのような雰囲気です。
日本料理、菜の花。
店主のこだわりで、野菜・魚介・米などを全て地元佐渡から直送されているお店。
もともとは佐渡島で長くお店を構えていらっしゃったそうで、
素材そのものを味わう優しい味わいの日本料理のお店です。
店主のお母様が自家栽培する、佐渡の野菜。
どれも上品な味わいです。蒟蒻もお母様の手作りだそうです。
店内は店主がご自身で設計されたとのことで、内装のひとつひとつに店主のこだわりを感じます。
塗壁や、照明の柔らかな内装に癒されます。
この周辺に建っている、昔ながらの建物が解体される際には、現在はなかなか見ることも少ないような、立派な建具などがあってつい目を奪われる、とお話しされていました。
弊社の建物が建つところも見ていらっしゃったとのことでした。
さらに、日暮里方向に歩くと、「上野桜木」の交差点先からは、谷中町へ。
江戸時代頃は、ここまでが寛永寺 上野山で、この先からが町内に入る場所だったとのこと。
台東区の景観まちかど賞にも選ばれたことがある、街のシンボルマーク。
昭和13年に創業し一度は閉店しつつも、この喫茶店に愛着を持つ様々な人の支援を受けて復活したという、古民家カフェ、カヤバ珈琲がありました。
軒が印象的な、町家型建築。
向かい側にも、昔は酒屋さんだったという大きな木造建築が保存されています。
とても歴史を感じる木造家屋ですが、
大正5年頃の建築の古民家を改装したそうで内装はレトロモダンで、とても落ち着く雰囲気です。
欅の梁や柱がとても美しく、まるで、大正の時代にタイムスリップしたような気分に浸れます。
建物母屋は、間口二間、奥行五間の寄棟造総2階建、奥に平屋の付属屋があります。
建物の角には八寸角、欅の太い通し柱を用い、大きな梁(人見梁)を渡しています。
かつては摺り揚げの格子戸で開口部を広くとった造りでした。
昭和13年、カヤバ珈琲店になってからは、入り口を洋風の扉として、照明入りの看板、窓、花壇などを配して、 出桁造りの町家の外観を活かしつつ、昭和期の喫茶店らしい風情を保っています。
平成20年の改修では、建築家永山祐子氏によって、大正町家の外観や柱梁、昭和喫茶の思い出ある看板、 椅子、カウンターの煉瓦壁、食器等を残し、昔の雰囲気を現代的な文脈で読み替えた空間づくりがおこなわれています。
(NPO法人たいとう歴史都市研究会ホームページより)
あんみつや、たまごサンドは昭和の頃からのメニューだそう。
新しいメニューを取り入れつつ、懐かしいメニューを大切にされています。
何気ない街角や、町名にも人々の昔からの営みを想像させるものがあり、
またゆったりと訪れたい、歴史を感じるまち歩きとなりました。