窓の種類と省エネ性能

ストレスフリーな建物の要件として、夏涼しく・冬暖かいお住まいがあげられると思います。
加えて、お部屋同士の温度差が少なければより快適に過ごせます。

冬場、廊下に出たら「寒い!床、冷たい!!」なんて、経験されたことも多いかと思います。
その原因の一つが窓にあります。

窓の部分は断熱材が入っていません。
したがって、冬場であれば窓からどんどん熱が逃げていきますし、夏場であれば窓からどんどん熱が入ってきます。

出典:日本建材・住宅設備産業協会 省エネルギー建材普及促進センター「省エネ建材で、快適な家、健康な家」

上図をご覧いただければ、いかに窓の影響が大きいかがわかっていただけるかと思います。
【窓】は、サッシ部分とガラス部分で構成されています。窓は大きく分けて下記の4種類があります。

  • アルミサッシ
  • アルミ樹脂複合サッシ
  • 樹脂サッシ
  • 木製サッシ

この1~4に行くにしたがって、熱伝導率が低くなります。
つまり、熱を通しにくくなるので断熱性能が高いです。

そのため、室温の低下も防ぎやすい上、結露もできにくいのでカビの発生なども抑制できます。(ちなみに、結露はします。その度合いのお話です。)

その他にもそれぞれメリット、デメリットがありますので今回はそれらをお伝えしようと思います。

メリットデメリット
アルミサッシ
(外側・内側とアルミ製、集合住宅に多い)
・低価格
・軽い(操作しやすい)
・対候性や防火性に優れる
・デザインが豊富
・熱伝導率が一番高く、熱が出入りしやすい
・結露がおきやすい
アルミ樹脂複合サッシ
(外側をアルミ、内側に樹脂)
・アルミサッシと比べて結露しにくい
・断熱性に優れている
・強度が高い
・開閉タイプやデザインが豊富
・防音効果が高い
・色やデザインが豊富
・アルミサッシに比べ、約1.5倍のコストアップ
・樹脂サッシより性能が落ちる
樹脂サッシ・熱伝導率が低いので外からの気温の影響を受けにくい(アルミサッシの熱伝導率の約1,000倍高性能)
・結露しにくい
・色やデザインが豊富
・遮音効果に優れている
・価格が高い(アルミサッシの約2倍の価格)
・樹脂の経年変化や紫外線(熱膨張性)による変色や割れが問題となる場合がある
・施工に慣れが必要で歪みやすい
・アルミサッシに比べて重い
・アルミサッシに比べると、デザインが少ない
木製サッシ・熱伝導率が最も低く、気温の影響を最も受けない
・結露しにくい
・見た目が柔らかい
・自然な印象で、インテリアとも合わせやすい
・価格が高い
・メンテナンスが面倒
・木部が劣化する可能性がある
・防火性が低いため、採用できない地域が多い
・デザインが少ない

住宅業界を見渡すと、都心部においては、アルミ樹脂複合サッシもしくは樹脂サッシを採用しているケースが多くなってきたように感じます。
個人的な感想を述べさせていただくと、 デザイン性や価格、施工の確かさを優先されるのであれば、アルミ樹脂複合サッシを。
とにかく、性能優先の方は樹脂サッシを選ばれているように感じます。
最近では、アルミ樹脂複合サッシでもガラスの性能を上げることで、性能UPできます。 色々な選択肢がある中で、何を重要視し、ご自身の考えに合ったものを選ぶことが重要かと思います。
                               東京支店 設計 Y・Y