『冬至から 畳の目ほど 日が延びる』
冬至の日を境に、目立たぬほどに少しづつ日がのびていくということわざですが、
昼の日の長さを畳の目に例えるところがなんとも風情を感じます。
畳は、日本固有の文化で、もともとは、むしろ・ござなどの薄い敷物の総称だったらしく
使用しないときは畳んで部屋の隅に置いたことから、
動詞である「タタム」が名詞化して「タタミ」になったのが畳の語源だそうです。
日本では、部屋の広さの目安として畳(帖=じょう)を基準にしているように畳は、
日本人の暮らしにとって身近な存在です。
(畳の大きさは、地域や構造によっても寸法、大きさに違いがあるため、
畳ではなく帖を使用することになった)
最近の建売のプラン見ると、フローリングの普及と敷地やコストの制約等の他、
リビングやキッチンを広くすることが好まれているため和室の無いプランが増えてきています。
また、和室の代わりにDENと言われる多用途での使用を目的とした
フローリング空間があるプランも多くなってきました。
薄い畳から厚い畳へと変化してきたように、時代とともに住い方は変わっていくものですが、
畳という日本の文化が無くなっていくのは少し寂しいものがあります。
昨今、炬燵の需要が少なくなってきたのも、畳の需要の減少と関係しているのでしょう。
日本の冬と言えば、畳の上で炬燵とみかん という情景も遠い昔のことになるかもしれません。
しかし、最近では、フローリングの上に置く薄畳や置畳が人気になってきてるようです。
赤ちゃんのおしめ変え、アイロン掛け、洗濯物をたたむ、お昼寝、
子供の遊び場などの用途には、フローリングより向いていますし、温かみがあリ、
なんとなく落ち着くのが畳の良いところでもあります。
以前までの畳表と言えば天然素材が一般的でしたが、
合成繊維を織った畳表や樹脂の表面に畳の目を型押しした畳表も出てきて日焼けせず、
耐汚染、耐水性も高くなりました。
畳床にはインシュレーションボードや発泡スチロールを使用してダニ・カビ対策され、
薄くなり軽く機能性がUPし安価で使いやすくなったことも再び見直されてきた理由であると思います。
平安時代までの畳は、板床に敷くクッションのような感覚で使われていたものらしいですが、
現代の畳の必要性が、一周回って戻ってきたと考えると面白いものです。
※参考
主な地域別の畳寸法種類 | 畳1枚のサイズ | 畳1枚の平米数 | 主な地域・場所 |
京間(きょうま) 本間(ほんま) | 191cm × 95.5cm | 約1.82m² | 関西地方 |
中京間(ちゅうきょうま) 三六間(さぶろくま) | 182cm × 91cm | 約1.65m² | 中部・北陸・東北地方 |
江戸間(えどま) 五八間(ごはちま) | 176cm × 88cm | 約1.55m² | 関東を中心に全国各地 |
団地間(だんちま) 五六間(ごろくま) | 170cm × 85cm | 約1.45m² | アパートやマンションなどの集合住宅 |
これは、不動産の表示に関する公正競争規約施行規則「物件の内容・取引条件等に係る表示基準」で
定義されています。
畳を部屋の広さの基準にすることは無理があるため、
単純に畳の枚数を表す畳ではなく帖を用いることによって誤解を防ぎ、
業界ルールとして1帖を1.62平方メートルと定めて広告などに別記してあります。
不動産公正取引協議会連合会では、1.62平方メートル以上の広さを1畳とすることと決められており、
この1.62 m2は、各室の壁芯面積を畳の数で除した数値。