

写真は、フランス出身のエマニュエル・ムホーが手がけた巣鴨信用金庫です。

建築に色が入るだけで、こんなに楽しい気分になれるのですね。
銀行などの建築の色彩計画では、慣例色を活かし、まとまりのある空間とするのが一般的です。
しかし、エマニュエル・ムホーによるこの建築は、地域を見極めて、それぞれの地域にふさわしい建築色彩を提案し、銀行特有の緊張感と閉鎖感をまったく感じさせないものとなっています。
他の生物と比較して人の目の大きな特徴のひとつとしてあげられるのが、色の識別能力です。色を認識できるということは、そこからいろいろな情報や刺激を常に受けているということです。
そしてその結果、後の思考や行動になんらかの影響が及ぼされていると考えられます。
ですから、「色」は人の心理、思考、行動と密接に関係しています。
今日では、様々な色彩の建材が生産されており、これまでにない新しい色材を使うことも出来るようになりました。エマニュエル・ムホーのように新しい現代的な色材を使って全く新しい建築の表情をつくり出すことも可能になっています。

住宅を設計しどのような空間を創るかは色彩にも大きく作用され、住まいの雰囲気も変わるものです。
外観、内装、建具、設備等、色を決定しなければならないものは多種多様にあります。
空間そのものの大きさを図面だけで認識することも難しいことですが、色の認識はもっと難しく戸惑うものです。
小さいサンプルで色を決めて実際に現場で見る印象とは全く違うことが多くあります。
その原因の多くは、ものの色はそこにあたる光の反射光を知覚することによって認識されることにあります。
要するに、同じ壁であっても、その壁にあたる光の種類によって色の見え方は違うのです。
朝の光、夕方の光といわず、時々刻々その壁の色は変化しています。
もちろん夜になれば点灯する照明の種類によっても色の見え方は違います。
また、現実に目にする「色」というのは、多様な関係性のなかで成り立っています。
たとえば、光の質やその光があたるものの材質・テクスチャーだけでなく、大きさ(色の面積)や形状、そして周囲の色など様々なものに色は影響を受けます。また同じ色でも使う場所により印象は大きく異なります。
ですから、当社で分譲する住宅の色決めをする際は、つねに光のことを考えるようにしています。
外で使う外壁材は、実際に太陽光の下でチェックしクロスや建具などは、太陽光だけでなく照明もあてて検討してみる。その際のサンプルは、できるだけ大きなものを取り寄せています。
そうすると、初めの段階では見えないものが見えてくることが多々あります。
新春販売予定の『アグレ西永福イルピュアルト』では、新しい色をいくつか採用しています。
春になり、目の前の公園の新緑がさらに映えて見えるような配色を意識して選んでみました。
モデルルームも、年末に向け完成間近となりました。
ぜひ、内覧して頂き、間取り、設備だけでなく色も確認してみてください。

今年も残すところあと10日余り、つむじ風吹く師走の街にも慌ただしさを感じるこの頃となりました。
《CONNECT》では、アグレ都市デザインのオフィシャルブログとして物件情報だけではなく設計のこと、会社のことなどを紹介してきましたが、訪問して頂いた方々には大変感謝しております。
来年も引き続き、皆さまに有意義な情報を発信をしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
皆様にとって新年が輝かしい年となることを願っています。
アグレ都市デザイン株式会社 一同
